2014年8月10日日曜日

基準を持つ事の意味 CIEカラーエンジン

 
 



ここのところ、韓国でピクセルマッピングやノードについて解説したり、他方では劇場のインフラとしてのネットワークについて言及したりで、頭がついていけてないというより、やや限界を感じているのが実情ではありますが、さらにここで、LEDの照明器具についても話さねばならないと感じて、新しい記事作成です。

当社で扱うilumoという照明器具の目指している先がまだほとんど伝わらないのは、その機能が見た目には地味で、今後のLEDライティングにおける根源的な問題を解決する事について、多くの方の理解が及ばないからだろうと想像します。やっぱり見た目にわかりやすいエフェクトっておもしろいですからね。

ilumoというLED器具のコンセプトは、LEDにおける問題点の解決です。
これまで、LED素子というのはその色みが統一できず、購入した時期などで色彩が異なるという事がありました。これをソフトウェアによるキャリブレーションで統一することで、どんな時も同じ色彩の器具が流通可能になります。このカラーキャリブレートは、RGBの混色の際、定義された正しい色温度の白を生み出します。

しかし、この白もそうですが、カラーミキシングで生み出す色も同様に、基準となる”ものさし” がなければ、それらの色はあくまでメーカー基準の色彩となり、メーカーごとにさまざまな色が存在することになってしまいます。 基準がなければ、この色が何なのか説明することもできないし、他のLED器具にあわせる事もできない。

そこでilumoは、RGBのレベルを、CIEが定義するカラースペースに基づいた数値に変換してLEDをドライブします。これはキャリブレーションモードと呼ばれるモード時のみですが、このキャリブレーションモードを使用した場合、DMXバリューにより操作されたRGBの色彩は内部でCIEカラーエンジンに渡されX/Yの座標軸の数値に変換されます。

ilumoはこのXとYの数値に基づき、LEDをドライブします。そのため、出力される色彩は正しくカラースペース内に存在する色を出力することになります。
この基準値を持つという事は重要で、これらを他のメーカーもすべてが行えば、どのLED器具で色を作っても、近似した色彩になるはずで、大きく異なることはないと言えるのです。

(ilumoのこのシステムはOEM供給しており、アメリカのアポロ社が採用しています)

これはカラーパレットの場合も同様で、ilumoのもつカラーパレットはLEEフィルターの番号で登録されていますが、これらは3200Kのハロゲンに実際のLEEフィルターをかけて出力される色のX/Y座標値(CIE)になります。いかがでしょうか?これらは重要なポイントだとは思いませんか?また、ilumo以外でこうした取り組みをしたメーカーがあったでしょうか?しかし、このコンセプトをいくら説明しても、こう言う人がいます。

曰く、「キャリブレーションは、メーカー各社で行ってますよ」しかし、その基準がないでしょう? 曰く「カラーパレットなんて、今までもあったでしょ?Leeフィルターの番号なんて、ありふれてる」いや、それも基準がないでしょ?しかもカラーマクロ的な発想でしかない。。また、バリアブルな色温度のパレットもあると言いますが、RGBだけを操作して、つまりカラーピッカーだけもしくはHSIのみで、4色、5色をミキシングして正しい色合いを出すというコンセプトなんてあったでしょうか?

確かに派手さはないし、特殊なエフェクトもないilumoですが、大事なのはこのコンセプトです。LEDが持つ根源的な問題点を解決しようとする姿勢に私は尊敬の念を抱くのです。だから、共にこれを広めたいと。。 私はiumoのこうした取り組みを小さな会社ですが、応援したいという想いに駆られます。

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