2013年10月31日木曜日

仕事を選択するという事

  ステージ産業以外の人と会話していて、おもしろいシチュエーションに出会います。例えば、少しかじった事があって、概要はわかってるという態度の人や、やや見下した感じを出す人。(この場合、市場規模とか、お金の事だけで判断する人ですが。。)

また、技術の話になると、少しかじった事がある人は、たいがいすべてわかったような顔をする。不思議なもんだと思う。自分が数年、かじっただけの事なのに20年この世界にかかわる人に、よくまあそれだけ言うもんだと。

そういえば、あるPA会社の社長さんが、プロと素人の違いについて話していました。
音響機器は、鳴らそうと思えば、音響マニアならどうつなぐか、簡単にわかるし、つなぐ事だけなら誰でもできる。しかし、安全に早く確実につないで音を出すのはプロにしかできない。そのSlight なレベルが大きな違いになるんだ。

劇団などの照明に関わり、自分で照明をやったりしてるので、照明業界については、ある程度わかっていると豪語する人もいたりする。実際の話、LEDが低価格化して、誰でも手に入ったり、照明コンソールもフリーのソフトウェアなどが手に入る時代、プロと変わらない機材を使う人もいるかもしれない。しかし、どんな規模だろうが、伝送されるDMXチャンネルの状況を理解して、確実にトラブルを防ぎ、時間までに一定のクオリティーの仕事をするのは、やはりプロにしかできない。

映像制作はだれでもできるし、コンピューターで映像を出すというのは、誰にもできる事。システムを組むことも、音響同様、マニアだったりすれば、なんとなくわかるかもしれない。しかし時間までに組み合げ、万が一のトラブルにも即座に対応して、何事もなかったように本番をこなせるのは、映像のプロでなければできない。

ネットワークのプロだから、ステージ産業で使うネットワークなんてせいぜいL2レベル。。ちょろいと思う人もいるかもしれない。しかし相手にするのはステージのプロであって、プロが使う機材をつなぐ仕事。きっと驚くほど一般のネットワークとは異なる場面や使い方に出会うだろう。そして、起こっている事象を理解するのは困難を極めるだろう。その世界のプロとそうでない人を分けるのは、技術そのものではなく、やはりその世界で生きていくと肚をくくった人の違いなんだと思う。




0 件のコメント:

コメントを投稿