2013年3月29日金曜日

sACNとArtnetは共存できますよ。

 つい先月、照明家協会の中央講座で講師をさせていただいたわけですが、そこでネットワークの話をいたしました。深い話ではなく、非常にシンプルにネットワークについて解説させていただいたわけですが、まだまだ照明業界においては認識が薄いな〜という実感があります。

以前、あるパーティーで、こんな事を言う人に出会いました。「アメリカからくるミュージカルは、sACNとかNET3を使うから、劇場にアートネットなんか広めてくれると迷惑なんだよね」いやあ〜 それにしてもなんという誤解でしょう。。

この人はsACNのマルチキャスト通信について、まったく理解していないんだろうと思いますが、ネットワーク機器をアートネット仕様にしておいて、つまりIPはクラスAの2.x.x.x.ということですが、マルチキャストプロトコルのsACNを当社のLuminexノードに送ることは可能なのです。いや、まったく問題ないんです。

そもそも、マルチキャストプロトコルは、送信先にマルチキャストアドレスを指定するわけで、それはすなわちマルチキャストアドレスに対応したMACアドレスを指定しているわけです。そして、ホスト側ではこのマルチキャスト対応のアプリケーションが起動していれば、その装置は、マルチキャストIPに対応したMACアドレスを受けられるようになってるので、NICのレベルで受信パケットを判別できます。

つまり、個々の装置のIPは関係なく、マルチキャスト通信に対応したソフトウェアが起動していれば、マルチキャストパケットは受信できるのです。
具体的にノードの設定で言うと、ノードのポートでsACNを指定した時点で、239.255.x.xのマルチキャストアドレス受信準備ができており、(x.xの数字でユニバースを指定)ノードのNICでは、これに対応したMACアドレスに送られたパケットを受信することが可能になります。

故にアートネット用に設定されたブロードキャストドメイン中でだって、sACNは送信受信ができちゃうわけです。なんの設定もいりません。先述のちょっと変わった人の意見は、sACNだけ使えるようにしろと言ってますが、今の時代、マルチプロトコルが使えるほうが便利に決まってます。あえてクローズドな世界にするほうが囲い込み戦略であり、ユーザーに不利益を与える方法としか言いようがないです。

それから、何度も繰り返しているのですが、ブロードキャストがネットワークに対して負荷が高いとか、マルチキャストは軽いとかっていうのは、これまた勘違いです。マルチキャストの場合も、スイッチはフラッディングするのだから、全ポートにパケットは転送されるんです。届いた先の装置が、そのパケットをどう扱うかに違いがあるのです。そういう意味では、L2スイッチレベルから見た、この2つのタイプに大きな違いはないとも言えるのです。






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