2012年8月7日火曜日

Projection Lighting












  昨日、新国立劇場の大ホールにおいて、劇場さん主催で舞台技術セミナーが開催されました。私はCatalystを使用した演出例の提案ということで、プロジェクションライティングについて解説させていただきましたが、InterBEEの時のように滑らかに言葉が出てこなかった事で、個人的には、かなり落ち込む事になったのですが、まあそれでも劇場関係者の方々にユニークな演出例をお見せできたのではないかと。。いやそう思いたいです。

今回の論旨は、これからの劇場演出において、これまで利用されてきたスライドプロジェクターを、DLPプロジェクターで置き換える事が起こるだろうし、そうなると動画を使った演出は、より深く劇場演出に組み込まれてくる。それは照明のエフェクトマシーンの代わりにもなり、きっと今のプロジェクターの輝度や演色性などをみていると、これなら地明かりに使う事もできるし、動画や静止画を組み合わせて、照明効果のように使えますね。それはつまりプロジェクションライティングという呼び方なんじゃないか?というのが前半です。

後半は、このプロジェクションライティングは、デジタルセットデザインへとつながり、映像を使って美術デザインを作ることもあり得るわけで、映像セクションは、舞台美術デザインにも大きな関わりを示すことになる。場合によっては、非常にビジュアルデザインのキーにもなり得るだろうという事です。

Cueで進行する劇場空間の演出において、概念としてトータルデザインという考え方が重要で、さらにオペレーションはトータルコントロールが必須となり、こういうトータル性って、スボボダ氏が唱えたステージ美術の考え方、セノグラフィー的ではないか?という話。そして、こうした演出を可能とするインフラとして劇場が機能しなければならず、劇場の設備として、プロジェクションを意識した設計が重要になるという事で締めたかったのですが、最後はなんだか演出って可能性が広がりますねで終わってしまいました。

いやあ〜しばらく話をしていないと、こうも口が回らないのか?と自分のプレゼン能力の低さに情けなくなりますが、ダメですね。もっとしっかりストーリーを組み立てないと、エバンジェリストになれません。

今回は、これまでのような映像業界向けの話ではなく、舞台しかも劇場向けの話でしたので、自分の得意とするところかな?とも思いますが、しかし本当に映像業界が求めるCatalystと舞台業界が求めるCatalystの使い方って異なります。考え方も求める方向性もまるで違う。英語と日本語くらいに違うと思います。それはつまり人が違うということなんですね。だから、今回の話はいつもとはかなり異なる内容で、幕やセットに照明タッチのようにプロジェクターを出したり、ホリゾントの色をCatalystで表現したりしました。
普通、映像ではやらない事ばかりです。プロジェクターもほとんど調整なしです。

プロジェクターを提供していただいたクリスティーさんは、かなり違和感を感じたようですが、このクリスティーさんのプロジェクターはDMXでも制御できるわけで、今はそういう時代なんですよね。販売系の人の中には、否定する人もいますが、プロジェクターをフロントに仕込んで、映像を照射したり、シーリングから斜めに照射したりする事ってありえると思います。外国ではやってますよね。そうすると、劇場空間においては、映像信号の分配は、照明のネットワークインフラを利用して、フロントやシーリングに光の端末を出しておけば、便利になります。照明器具を設置する位置は、プロジェクションにとってもベストな位置になるからです。これは絶対だと思う。映像信号の分配は、照明ネットワークのインフラとともに考えるのが、これからの劇場インフラ設備では重要なのです。


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